生地の選び方

生地持込の場合、布市場で購入なさる方がほとんどだと思います。ここに注意点をざっとまとめてみました。

・スーツ向けウール素材
(ツィードについては別途記載)
繊維が細くて密度の高いもの(長持ちしますし型崩れしません。)
表面が滑らかなもの(上品に見えます。)
適度な光沢があるもの(高級に見えます。)
握ってみてしわになりにくいもの(繊維が長い証拠です。お手入れが楽になります。)
上記の条件を満たしつつなおかつ軟らかくて気持ちいいもの(着心地がいいです。)
張りがあるものはシルエットを作りやすいので、痩せた方の体型を自然にカバーしてくれます。
テロンとした生地は落ち感があってドレープができるので、太った方の体型をスリムに縦長に見せてくれます。
ストレッチが入った生地は動きやすいですが、体型が出やすいです。
いずれも自分が欲しいイメージに合わせて選びましょう。
チェックなどの柄物は30〜50cm多めに購入してください。

・ツィード
シャネルスーツのようなファンシーツィードに憧れる方は多いと思いますが、実は選び方の難しい生地。色柄に惑わされず、質のいいものをしっかり選んでください。
ざっくりしたものほど型崩れしやすく、ボリュームが出るので太って見える。好みによりますが、糸が細めのものを選んだほうが無難です。
もともと厚みがあって太って見えやすい生地なので、プロポーションに自信がない場合濃いめの色を選んだほうが無難。

・カシミヤ
中国ではカシミヤが日本よりぐっと安いので、とってもお買い得です。
実はカシミヤ100%の生地というのはまず見つかりません。本来カシミヤは型崩れしやすく長持ちしないものなので、ほとんどがウールとの混紡です。
軽いものほどカシミヤ含有率が高いです。是非1Mくらい引き出して持ち上げてみてください。軽いものは暖かいのに着ていて疲れません。(もちろんお値段も張ります。)
表面に光沢があるもの(毛足が長い証拠です。)
濃色の場合色に深みがあるもの。毛足のため白っぽく見えがちなので、濃い目を選んでちょうどいいのです。

・コットン
どんな生地でもいえることですが、やはり繊維が細くて密度の高いもの。
滑らかなもの。
握ってみてしわになりにくいもの。(繊維が細い証拠です。)
キズの少ないもの。
チェックなどの柄物は30〜50cm多めに購入してください。

・中国シルク
シルクといって売られていても実はポリエステルのものもあるので注意!
これも繊維の細くて密度の高いもの。繊維が粗いものやぺらぺらしたものは洗濯したら風合いが全く変わってしまいます。 
もともとシルクは弱い生地なので、多少高くても若干厚手のものを購入したほうが長くきられますし高級感があります。
光沢が上品なもの。

・タイシルク
日本人に人気のタイシルクですが、繊維が太くてざっくりしているぶん織りムラやキズが多いのが特徴。織りムラやキズはタイシルクの味と思っておいたほうがいいのかもしれません。
張りがあるので、タイトなシルエット向き。プリーツ・ギャザー・フレヤーなどには不向きです。

・シルクコットン

最近はシルクとコットンの混紡(またはコットンレーヨン、コットンキュプラの混紡など)が多く出回っています。洗濯しやすく適度な光沢と滑らかさがあり、価格も手ごろなのでお勧めです。

・自分のお気に入りの服を持っていって似た生地を探す。
似ているというのは見た目もですが、触ってみることも大事!お店の人にもどんどん聞いて、一緒に似た生地を探してもらってみてください。
もちろん「同じ!」と言われても本当に近いどうかは自分で判断・・・

・お店ではできませんが・・・

繊維の判定法として、切れ端を燃やしてみるという方法があります。
シルク・コットン・ウールなどの天然素材は燃やすと焦げ臭くなり(髪にドライヤーを近づけすぎた時のようなにおい)、ぽろぽろになって崩れるのに対し、ポリエステルなどの化繊は黒く固まってプラスチックのように堅くなります。
最近は天然素材と化学繊維の混紡が多くなっていますのでこの判定方法も万能ではありませんが、ひとつの方法として知っておくと便利です。


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